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- 2024.01.30
すべての Web サイトには理由があって存在しています。ビジネスでは、リードや売上を生み出すためだったり、非営利および政治的な Webサイトの場合は、アイデアを広めたり意識を高めたりするためにあります。特定の理由に関係なく、すべての Web サイトには、目的と望ましい結果が求められます。
では望む目的 (または目標) を達成するためにWebサイトは、どのようにアプローチする計画を組み立てれば良いでしょうか。この記事では、Webサイト戦略における基本と定義を解説しつつ、戦略ポイントを説明します。
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INFORMATION
株式会社フォチューナ
WordPressに強いWEB制作会社として多くの企業様へサポートしています。情報設計・コンテンツ施策をはじめとするWEBコンサルティングと、リスティング・SNS広告運用の支援フォローをするデジタルマーケティングにおいてビジネス成長を支援しています。
- この記事はこんな人におすすめです
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- Webサイトリニューアルを検討されている方
- 新事業立ち上げの担当を任されている方
- Web戦略を理解したい方
Webサイト戦略とは何ですか?
Webサイト戦略とは何ですか?
Webサイト戦略は、Web サイトを中心にした企業のオンラインプレゼンスを方向付ける行動計画であり、目標を達成するための長期的なビジネス戦略プランです。
Web サイト戦略を設定することは、Web サイトのデザインを超えて、コンテンツやマーケティング活動に非常に役立ち、効果的な Web サイトの設計と開発を支援します。つまり、顧客をうまく引きつけ、目標に沿った方法で Web サイトを最適化することが容易になります。
特にビジネス用の Web サイトを構築している場合は、Web 戦略から始める必要があります。平均的なパフォーマンスのWeb サイトと 300% 優れている Web サイトの違いは、Web サイト戦略の結果とも言えます。
Webサイト戦略が重要な理由
Webサイト戦略とは何ですか?
戦略をまったく持たずにデザインされた Web サイトはほとんどありません。
『なぜ作られたのか』『どうしてこのデザインなのか』という理由が存在する一方で、戦略の意図と見る側、すなわち顧客の受け取る印象にズレがある、というデザインを目にします。
時間かけて目的とユーザーを設定し、各コンテンツの要件 (長さ、必要なアセット、構造など)も時間をかけ協議して視覚的なデザインも十分。では、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。実は、Web戦略と情報アーキテクチャーのバランスが生み出した穴が、顧客へ与える印象のズレとなっています。
フォチューナでは、これを「ギャップ」と呼んでいます。
平均的なパフォーマンスのWeb サイトと 300% 優れている Web サイトの違いは、このギャップを埋める方法を見つけ出すかどうかにあります。
だからこそWebサイト戦略が重要なのです。
Webサイト戦略の内容
Webサイト戦略とは何ですか?
これまで、コンサルティングを担当させていただいたビジネスにおいて、戦略には少なくとも次の4つの大分類が含まれています。
- 推奨する4つの分類
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- 現在の状況 – 私たちは今どこにいるのか?
- これからの目的 – どんなメッセージとコンセプトを顧客へ伝えたいのか。
- 主要業績評価指標(KPI) – 成功をどのように測定するか。
- 推奨されるアプローチ – そこに到達するために何をするか。
上記の大分類でも十分ですが、戦略として厳密さが欠けてしまいます。。Webサイトに高いパフォーマンスを求めるなら、さらに分解して、戦略として話し合うことを推奨します。
Webサイト戦略の項目リスト
- 戦略1:現在の状況
- サイトマップ
- アクセスレポート
- 戦略2:目標と定義
- ビジネス目標
- 主要業績評価指標 (KPI)
- 戦略3:リサーチと分析
- ターゲット層の分析
- 競争力/業界分析
- 戦略4:アプローチ
- 情報設計
- ユーザー導線
- レイアウト・ワイヤーフレーム
- 行動喚起戦略
- 視覚言語
- メッセージング
- 戦略5:ロジスティクス
- 非機能要件
- インフラ戦略
- タイミング
- 予算
次の段落では、それぞれのWeb サイト戦略について詳しく説明していきます。
戦略1:現在の状況
まずは現状の把握し、まとめることから始めましょう。どこから出発するかが分からなければ、目的の目的地までのルートを計画することはできません。また、出発点が異なれば、異なるアプローチが必要になります。
アクセスレポート
よりデータに沿った形で企業の抱える課題を解決する糸口が見つかりやすくなると言われています。目的達成のために、現状のホームページに関するデータ収集が重要です。特にアクセス状況やコンテンツの閲覧状況では、直帰率・遷移率・CV(コンバージョン)といった定量的な指標を明らかにすることで課題と解決策を細分化していきます。Google Analytics4(グーグルアナリティクス)等の解析ツールを導入していれば、社内でレポート出力することができますし、分析段階からコンサルティング会社に依頼することが可能です。
戦略2:目標と定義
Webサイトの目標を定義することは、戦略を策定する際の最初のタスクです。目標と定義を行うことで、すべての関係者へ方向性が示されるだけでなく、達成しようとしていることについて同じ認識を持つことが保証されます。
重要業績評価指標(KPI)
「リニューアルすること」が目標であれば必要ありませんが、Webサイト戦略の成果が測定するための各目標に対する重要業績評価指標 (KPI) が必要です。ただし、戦略1で推奨したアクセスレポートで現状から現実離れしたKPI を目標にすれば、その分社内外のコストが大幅にかさむので注意が必要です。
とはいえ、Webサイトの戦略と各目標が達成したかどうかを定期的に確認して、社内で共有するようにしましょう。KPI目標がリードを増やすことである場合、月ごとにリードを追跡し、6〜12か月以内にベースラインを 何%上回っているかどうかを確認します。
KPI は、上記の例のように定量的なものにすることも、定性的なものにすることもできます。近年オウンドメディア運用をする企業が多くなりました。オウンドメディア価値を向上させることが目的の場合、オウンドメディアにKPI指標は必要なの?KPI設定方法を徹底解説!で詳しく説明しています。
戦略3:リサーチと分析
Webサイト戦略の中で、訴求精度を大きく左右する要素がターゲット分析です。
ターゲット分析とは、会社の製品やサービスを購入または利用してもらいたい顧客層を定義=ターゲティングするための分析であり、ビジネス活動を行なううえで基本的かつ重要な分析手法です。
ターゲット層の分析と設定
下図にように、外側から内側へ8つの項目からターゲット (またはユーザー ペルソナ) が、製品やサービスと関わる際に通過する道のりを理解し、検討し再設定することをお勧めします。
顧客体験を可視化する手法にカスタマージャーニーマップがあります。カスタマージャーニーマップ作成の参考になる事例6選、で詳しく説明しています。
競争力/業界分析
ほとんどのユーザーは、会社の製品やサービスを購入または利用するために、複数のWeb サイトを経由し比較します。業界における激しい競争により、企業は優位性を獲得するために、ユーザーへ自社独自の答えを持つことが必要です。業界分析を実施することは、競合他社と市場の機会を理解するための最良の方法です。
- 業界分析で行う推奨事項
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- 競争を理解する – 競合他社はどのような製品やサービスを提供していますか?
- 収集したデータを分析する – 消費者ベースの需要とニーズを満たしていますか?
- 市場における自社のポジションを評価する – 今の強みとポジションニングは理想とするカタチですか?
戦略4:アプローチ
望ましい結果と影響を与える要因を明確に把握できれば、行動計画を立てることができます。Webサイト戦略4では、Web サイトの具体的な要素について次のような推奨事項を検討します。
情報設計
情報設計(Information Architecture / 略称:IA)とは、Web サイト上のコンテンツの組織、構造、およびラベル付けを行い、ユーザーに情報が伝わりやすいように設計していくことを意味します。
コンテンツを作り始める前に 情報設計を明確化するメリットは、サイトのクオリティを上げることだけでなく、円滑に進行できることからコストやスケジュールも短縮になるところです。
- 情報設計で行う推奨事項
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- 洗い出した情報リストから、トピックとサブトピックに分類する。
- 収益につながるコンテンツの精査を協議する。
- 変更や削除するページ、新規で作成するWEBページをこの段階で企画する。
情報設計をしたところで、次にサイトマップを作成します。サイトマップとはサイト全体の構成をわかりやすく伝えるための一覧で、端的に述べると「サイト全体の構成図」のことを指します。
ユーザー導線・フロー
ユーザー導線とフローとは、訪問者がWebサイト内を移動するときにたどる導線を概説した図です。ユーザー導線は、顧客がサイトにアクセスした瞬間からコールトゥアクション (CTA) をクリックするまでのWebサイトとのやり取りを視覚的にするのもので、ユーザーエクスペリエンス全体と途中の各タッチポイントを詳しく示しています。
- ユーザー導線を作成するときの推奨事項
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- 訪問者のニーズは何ですか。
- 訪問者はどのような問題を解決したいのでしょうか。
- 訪問者を誘導するために必要なデザイン機能は何でしょうか。
- 訪問者が製品やサービスに関して持つ懸念をどのように対処しますか。
レイアウト・ワイヤーフレーム
Webサイト戦略の中にレイアウト、ワイヤーフレームがあります。ワイヤーフレームでは、目標を達成し、対象ユーザーを満足させるために重要なページにどのようにアプローチするかをページごとに特定します。
ワイヤーフレームは、プロトタイプと混同する場合があります。ワイヤーフレームは、グラフィックスとコンテンツが取り除かれた概略図を提供し、基本構造を示します。一方、プロトタイプは、グラフィック表現を加えた最終の動作とデザインバージョンを提示します。
ワイヤーフレームを使用すると、関係者はWeb サイト内の個々のページがどのように流れて機能するかを確認できます。また、ワイヤーフレームには何もコードが設定されていないため、関係者は設計を開始する前に大幅な変更を自由に要求できるメリットがありますので、設計することをお勧めします。
行動喚起戦略
行動喚起とは、Webサイトの訪問者を具体的な行動を喚起する、Webサイト上に設置されたイメージやテキストを指します。具体的にはページ遷移させるボタン、購入するボタン、メルマガを促すボタンなどさまざまです。Webサイト戦略では「CTA(Call To Action(コール トゥ アクション)の略)」と呼ぶことが一般的です。
- 検討する推奨事項
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- 説得力のある行動喚起を作成する方法
- A/B テストを使用して CTA をテストする方法
CTAは、ウェブページ上の重要な要素の1つであることは間違いありません。訪問者にどんな実行をしてもらいたいか、明確なCTAがないとユーザーは商品を購入したり、ニュースレターに登録したりするために次のステップが分からず、タスクを達成せずにサイトを離れてしまう可能性があります。Webサイト戦略においてWebサイトの目標と密接に関係しているため、どのようにアプローチするかが成功に大きく影響します。
視覚言語
ビジネスオーナーであってもマーケティング担当者であっても、読み続けて、見栄えが良く、結果をもたらす Web サイトを目標にしているはずです。Web サイトのデザインを変更することを決定する前に考慮する必要があるのは、それがブランドを傷つけたり、クライアントをイライラさせたり、さらなる問題を引き起こしたりする可能性があるかどうかです。
- 検討する推奨事項
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- デザインはブランドを正確に反映できていますか。
- 対象ユーザーの好みやニーズにアピールできていますか。
- モバイルフレンドリーにデザインが最適化されていますか。
- 視覚的に障害のある方が見づらいものになっていませんか。
- サイトの管理者が困難になっていませんか。
すべてのビジュアルは何かを伝えるものであるため、何を伝えたいのか、そしてその最善の方法を検討することが重要です。また、Webサイト戦略の中でも視覚言語を改善することで多くのメリットが生まれます。ユーザーエンゲージメントが向上する、コンバージョン率が上がる、SEO検索に良い影響がある、Web サイトを戦略的に再設計することで、Web サイトが常に目標や目的を達成できるようにすることができます。
メッセージング
Webサイトのメッセージングは、視覚言語に加えデザイントーンと呼ばれるものを形成します。それらは、テキスト、画像、余白から形成されますが、企業ブランドにつながる可能性が高い部分なので、コンセプトの段階で整合性をとっておくことが重要です。
メッセージングを含めたWebデザインは、マーケティングに対する結果重視のアプローチであるべきです。「一度やって終わり」というアプローチではなく、お客様と緊密に連携してマーケティング戦略を見直し、観測、分析し、継続的に改善していくことが成功の鍵となります。
戦略5:ロジスティクス
プロジェクトをうまく軌道に乗せるためには、常に適切なテクノロジーを選択する必要があります。Webサイト戦略5では、信頼性や効率性などの品質、拡張性などについてご説明します。
非機能要件
非機能要件は「必要とする機能以外の要件」を指します。例えば、WordPressを利用したWebサイトやLaravelで開発するWebサービスだったりプログラミングを行う場合に、性能や可用性、運用や保守性、セキュリティ面などが上げられます。公開した後の運用フェーズにおいて、想定していた機能が足りない、運用しずらい、拡張性が悪いなどとならないよう、運用フェーズを意識した戦略の立案も検討しましょう。
インフラ戦略
インターネットを利用して提供するすべてのサービスは、ITインフラが必要になります。つまり、ドメインやサーバーとそのアプリケーションです。サーバーにはさまざまな種類があり、メールサーバーやWebサーバー、仮想サーバーなど分けられます。サービスは、クラウド、VPS、レンタルの3種類がありますので、サイトの拡張性やセキュリティ面、稼働安定性など、契約前に必要な要件を確認しサーバーの選定を行いましょう。WordPressにおすすめのレンタルサーバー5選、で詳しく説明しています。
スケジューリング
スケジュールは無理なく緩みない効率的なスケジュールの立案と管理が重要です。とは言え、Webパートナーを選定するRFI、RFPの段階では大まかなスケジュール感にならざる得ません。本記事のWeb戦略1〜4へステップが進み、コンテンツ制作の全工程を洗い出しながら調整、管理するのが最善です。
予算
Webサイトはビジネスのオンラインプレゼンスを築くための基盤です。Webサイト制作にかかる費用は、サイトの規模と機能に大きく影響されます。よって、シンプルな企業サイトから大規模なECサイトまで幅広い種類があり、制作費用も幅広いです。新規立ち上げやリニューアルプロジェクトをどこに依頼するのが最適なのか、判断基準がわかりづらいのも現実です。
- 予算検討する推奨事項
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- 情報設計を高精度で依頼するか。
- 既存、新規制作するページ数を算出する。
- ITインフラの選定と立ち上げから依頼するか。
- 保守をどの範囲まで依頼するのか。
Webサイトを成功させるには効果的な戦略が必要です
見込み客は、貴社を好み、共感し、信頼している場合のみ、さまざまなルートからサイトにアクセスしてきます。サイトは、ユーザーの求めている情報とそれに応える説得力を持って伝えることができなければ、訪問者はそこに留まることはありません。さらに、訪問者を見込み客から貴社の顧客に変えることはできません。
Webサイト戦略パートナーを探している場合、スタートアップから大手企業様のWeb制作と開発実績豊富な当社にご相談ください。お客様の特定のニーズに合わせてカスタマイズしたWebサイトまたは、開発をお手伝いします。あらゆる面で戦略を実行し、成功を支援いたします。
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INFORMATION
株式会社フォチューナ
株式会社フォチューナは、WordPressに強いWEB制作会社として多くの企業様へサポートしています。私たちはLife with Communication.に情熱を傾けるテクノロジーとマーケティングカンパニーです。
インバウンドマーケティング最新情報から見直したいSEOテクニックまで、コンテンツ・SNSマーケティングを支援するFortuna Magazine(フォチューナマガジン)を運営しています。
Webサイト戦略とは何ですか?
Webサイト戦略は、Web サイトを中心にした企業のオンラインプレゼンスを方向付ける行動計画であり、目標を達成するための長期的なビジネス戦略プランです。5つの戦略チェックリストを公開していますのでぜひ閲覧ください。
Webサイト戦略で現状の分析をする理由は何ですか?
目的達成のために、現状のホームページに関するデータ収集が重要です。特にアクセス状況やコンテンツの閲覧状況では、直帰率・遷移率・CV(コンバージョン)といった定量的な指標を明らかにすることで課題と解決策を細分化していきます。
Webサイト戦略にはどんなことがありますか?
「現在の状況」「目標と定義」「リサーチと分析」「アプローチ」「ロジスティクス」の5つがあります。戦略チェックリストを公開していますのでぜひ閲覧ください。
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AUTHOR PROFILE
YASUDAWEB制作事業部 チーフプロジェクトマネージャー
WEBサイトの制作から、スタートアップのサービス開発、集客などを支援するプロジェクトマネージャー。 業界も長く、デザイナー、エンジニア、営業、プランナー、ディレクターと様々な実務をこなしているため、業界、ジャンル問わず幅広い知識からお客様の課題解決を支援しております。三度の飯よりサッカー好き(子育てで一時引退中)。
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